天野喜孝の世界展

作品紹介

デビューアニメーション

1967年、天野喜孝はアニメーション制作会社タツノコプロにて、プロのアニメキャラクター・デザイナーとして15歳から画業をはじめました。描いた端からテレビで次々と放映されるというアニメの第一線の現場が彼の働く最初の場所でした。ここで天野は『ヤッターマン』をはじめとする『タイムボカン・シリーズ』や『昆虫物語みなしごハッチ』などに登場する多くのキャラクターを生み出しました。

この頃の作品には、すでに現在の天野の作品にみられる主な人物・キャラクター表現の基本が表れています。時代が要請するヒーロー、時代の理想を映す少女と女性、子供だけではなく大人も魅了するかわいいキャラクターたち。

この時代に生み出されたキャラクターは、いまも天野の新作に描かれ続けており、天野がこの時期に生み出したキャラクターを大切に思っていることが伝わってきます。

ゲーム『ファイナルファンタジー』

天野は1987年に株式会社スクウェアから発売されたテレビゲーム「ファイナルファンタジー」のイメージイラストを担当します。テレビゲームのイメージイラストは、当時の天野にとって新しい表現ジャンルであり大きな挑戦となりました。以来、天野とともに「ファイナルファンタジー」は四半世紀以上の時を重ね、今も世界中から愛され続けています。天野が描いた独自のイマジネーションの世界と手掛けたキャラクターの魅力は、「ファイナルファンタジー」を通じて世界にアピールされました。

DEVA LOKA

最新作が並ぶこのゾーンの作品には、それぞれに天野が構想した神話をもとにした主題があります。

「DEVA LOKA」とは、「神々の住む場所」という意味の仏教用語で、天野の作品では「混沌」が表現されます。「ファイナルファンタジー」でお馴染みのウェアタイガー、クレイジーホース、スカル、黒騎士、スライム、ボムや新しく創生されたモンスター達が混沌のなかから勢い良く湧き出しています。

「Candy Girls」シリーズは、108体のアンドロイド達という設定で、70年代の天野の仕事やポップアートの影響が見て取れます。

これらの作品群は、アルミパネルにアクリル絵具と自動車用塗料を用いて描画されており、画面はツヤツヤのピカピカで、「絵画」の物質的存在感についても新しい提案をしています。色面の効果を優先した平面的な描写と鮮やかな色彩は天野だからこそ成し得る、自由でそして新しい美の表現と言えます。